このところの地方自治関連のニュースでは、「夕張市が準用再建団体の指定申請をしたこと」が、ずっと取り上げられている。
私は、「市町村合併せずに、単独自立で立ち行かなくなった団体から出てくるのでは」と、考えていたのだが、「もっと、財政的に行き詰まっていたところもあったんだな」と、感じたのが正直なところだった。
現在、私が不思議に思っていることがある。
それは、現在設置されている法定協議会が、全国に5つしかないことだ。
平成の第1次合併終了時点で、全国で1万人未満の市町村は、488あったが、これらの大半は、まだ合併に向けて動いていないということになる。
これは、「おいおい、ちょっと待てよ」である。
第1次合併においては、1400ほどの市町村が、合併を選択した。
大半の市町村が、「このままでは、財政上厳しい」という判断のうえ合併し、 その中には1万人以上の市町村も数多く含まれている。
しかし現在、交付税上も合併市町村のシワ寄せを受けているであろう大半の非合併市町村が、合併へ向かっていないのが現実なのである。
そろそろ本格的に「団塊の世代」の退職が始まり、給与負担は無くなるもの の、退職金を支払わなければならない。そのうえ、交付税はどんどん切られてい くのだが、「果たして大丈夫か?」と、心配してしまう。
が、一方、合併にすぐ踏み切れないのも分からないではない。
今回の合併特例法(期間:平成17〜21年度)は、合併による財政的メリットは、「交付税の算定替と交付税措置が少々」といった程度で、いわゆるく「アメ」がまったくない。
度重なる国の理不尽なやり方に、愛想をつかしている市町村は多いし、重ねて、都市と地方の格差、温度差といった問題もある。
「地方はムダ使いをしている」という、国がよく使う責任転嫁のセリフがあるが、これは信じてはいけない。
7月7日付け朝日新聞にも記事があるが、地方交付税削減により、特に小規模自治体では、身を削るような努力をしているのが現実である。
また、「地方は、無駄なハコモノばかり作って、今、維持管理費、建設費用の償還に苦しんでいる。自業自得」という論調もあるが、これも100%地方が悪いわけではない。国がそういう政策を強引に推し進めた時期があったからこそである。
国保や介護保険の制度も見直しと称してコロコロ変わっているし、「IT国家推進」についても、私は甚だ疑問を持っている。
「住基ネットは、もうやめたい」という市町村も数多いし(いや、ほとんどそう思っているかも)、電算システムをいくら構築したからといって、人員が大幅に削減できるわけではない。データの送受信や管理といった面では、紙とは比較にならないくらい効率的だが、それ以外にはさほど実務時間が短縮されないのが現実である。
ましてや、日本の国土のほとんどは「中山間」と称される地域であり、そこに住んでいるお年寄りが多い。ITが本当に国土全域になじむのだろうか。現在の政策を見ていると、将来も中山間に人が住めるように考えている様子はなく、矛盾しているとしか言いようがない。
少子高齢化は、現在どんどん進行しており、将来的には、生産年齢人口比率はますます減る。 支える部分の人数が、これまでと逆転するくらいになる覚悟が必要である。
トップの顔色ばかりうかがい、出身は地方でも、都市のほうにしか目が向いていないバッジを付けた方々は、このことがどの程度分かっているのだろうか。
あなたたちや、私が死ぬまでではなく、その後のことのほうがずっと大事だと いうことを忘れないでほしい。
(うーん、我ながら、なんか暗い論調だ。 OTL)
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個人的には、すごくうれしかったです。
お体に気をつけられ、まだまだ頑張っていただきたいと思います。
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