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■1.政権末期になると「反日」に走る韓国政界の宿痾
政権末期になると、かならず反日運動が盛り上がってくるのは、韓国政界の宿痾である。「従軍慰安婦」問題だけでも、最近こんな動きが見られた。
・昨年12月、ソウル中心部の日本大使館前に元慰安婦支援団体が慰安婦像を設立。[1]
・本年3月1日、李明博大統領は日本統治下の朝鮮半島で起きた反日抗議運動「3・1独立運動」を記念する式典で元慰安婦への賠償請求権問題について「すぐに解決しなければならない人道的問題だ」と演説。[2]
・本年5月、ソウル市内に慰安婦に関する資料などを集めた「戦争と女性の人権博物館」を開設。韓国政府が約3500万円の資金提供。[3]
・同月、「米ニューヨーク韓国人会」はニュージャージー州の公立図書館内に「従軍慰安婦」の追悼碑を設置。今後も全米各地で次々と追悼碑を建てていくと表明。[4]
選挙が近づくと、左派が反日活動を盛り上げ、保守派もやむなく反日のポーズを強める、という構図である。朝日新聞など国内の左傾マスコミがこれを増長させている。
日本国民としては、「従軍慰安婦」問題など、韓国・北朝鮮側の主張が史実かどうか理解した上で、政府・外務省に対してきちんとした対応をとるよう要求するとともに、国内の一部マスコミの偏向報道を批判していかねばならない。
■2.朝日新聞の偏向報道が火をつけた
従軍慰安婦問題の経緯については、弊誌106号「『従軍慰安婦』問題(上)日韓友好に打ち込まれた楔」、107号「『従軍慰安婦』問題(下)仕掛けられた情報戦争」で紹介した。[a,b]
発端は、昭和58(1983)年に、吉田清治なる人物が、著書『私の戦争犯罪・朝鮮人連行強制記録』の中で、昭和18年に軍の命令で、韓国斉州島で女性を「強制連行」して慰安婦にしたという「体験」を発表したことである。
しかし、この「体験」は、その後の現地調査で創作であったことが明らかにされ、本人もそれを認めている。
この問題に火をつけたのは、平成4年1月11日、朝日新聞が、宮沢首相の訪韓直前に、一面トップで「慰安所、軍関与示す資料」、「部隊に設置指示 募集含め統制・監督」と報道した事である。
ソウル市内では抗議・糾弾のデモ、集会が相次ぎ、不意打ちされた宮沢首相は首脳会談で謝罪を繰り返し、真相究明を約束した。
軍が慰安所を設けること自体は、戦後の米軍が日本や韓国に命じて慰安所を作らせたことにもあるように、違法なことではない。
韓国軍がベトナムに進駐した際は、それをせず、ベトナム女性を強姦したり、現地婚の後で置き去りにされた孤児が数千から数万人の規模で発生していることに比べれば、はるかに良心的な措置である。
問題は、軍が慰安婦を強制連行したかどうか、という所にあるのだが、[a]で述べたように、この「関与」とは、慰安婦を募集する民間業者の中には「募集の方法誘拐に類し警察当局に検挙取調を受くるものある等注意を要す」「警察当局との連携を密にし・・・社会問題上遺漏なき様配慮」せよ、という良心的な「関与」であった。
これを朝日新聞は、さも軍が強制連行に「関与」したかのように報道したのである。意図的な偏向報道そのものである。
■3.悪徳朝鮮人業者の毒牙
現代日本に住む我々には想像もつかないことだが、戦前の朝鮮では婦女子を誘拐して、娼妓として売り飛ばす悪徳業者が少なくなかったようだ。それらの悪徳業者を朝鮮総督府がいかに苦心して取り締まったのか、当時の朝日新聞自体が報道している。
たとえば、次のような記事がある。斐長彦という朝鮮人率いるグループが女性を誘拐していたのを、捕らえて送検したという内容である。
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田舎娘など14名も誘拐 一味送局(JOG注: 送検)さる
京城府蓬莱町4丁目無職斐長彦(57年)ほか11名は共謀して田舎の生活苦に喘(あえ)ぐ家庭の娘、あるいは出戻り女など14名を誘拐して酌婦あるいは娼妓などに売り飛ばして約1万余円をせしめていた事件は西大門署で取り調べていたが、25日一件書類とともに送局した。
(『大阪朝日・西鮮版』昭和15(1940)年6月28日)[5,p43]
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同様な記事が続々と見つかっている。[5,p45]
「貴婦人装ふ誘拐魔 男女4名を手下に使ひ 全鮮から小娘28名を誘拐」(『大阪朝日・南鮮版』昭和13(1938)年3月1日)
「農村の娘に毒牙 巧みに誘拐しては売飛ばす 恐るべき全貌判明」(『大阪朝日・南鮮版』昭和14(1939)年3月30日)
「資産家の主婦を連出し行方晦(くら)ます 偽刑事が大胆な犯行」(『大阪朝日・南鮮版』昭和15(1940)年5月21日)
■4.朝鮮名の悪徳業者たち
また、日本統治時代に創刊され、現在では韓国の三大紙の一つとなっている『東亜日報』も同様の報道を行っていた。[5,p57-61]
ついでに犯人の名前も書いておこう。みな朝鮮名で、これだけでも、「創氏改名」で日本名を強制されていたという説が、史実でないことが分かる。
「戸籍を偽造 醜業を強制 悪魔のような遊郭業者の所行 犯人は警察に逮捕」、犯人:呉正渙(『東亜日報』、昭和8(1933)年5月5日)
「路上で少女を拉致 醜業、中国人に売り渡す 売り飛ばした男女検挙」、犯人:朴命同、李姓女(『東亜日報』、昭和8(1933)年6月30日)
「良家の子女を誘拐して、満洲に売り飛ばし金儲け 釜山署犯人を逮捕」、犯人:田斗漢(『東亜日報』、昭和13(1938)年12月4日)
「悪徳紹介業者が跋扈(ばっこ) 農村の婦女子を誘拐 被害女性100名を超える」、犯人名不明(『東亜日報』、昭和13(1938)年12月4日)
この最後の記事では、関係者として浮かび上がった満洲・奉天の紹介業者を逮捕するため、「ユ警部補以下刑事6名が奉天に急行した」とある。「ユ刑事」とは、この『東亜日報』が全面、漢字とハングルで書かれているので、漢字が分からないためだ。
日本統治時代に創刊された新聞が、ハングルを使っていたのだから、「ハングルを奪わて、日本語を強制された」などという説が嘘っぱちであることは、これだけでも明らかである。
また、このユ警部補は名前からして朝鮮人で、朝鮮総督府の警察は日本人と朝鮮人により構成・運営されていた。両者が力を合わせて、婦女子を誘拐して売り飛ばす悪徳朝鮮人業者を取り締まっていたのだ。
■5.日本人の悪徳業者も
悪徳業者は朝鮮ばかりでなく、日本にもいた。天理教教師と偽って愛媛県で信者の娘4人を誘拐し、満洲に連れて行く途中、朝鮮で逮捕された、という事例である。
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肩書きは天理教の教師 実は希代の誘拐魔 移動警察の網にかかる
・・・23日午前7時50分釜山桟橋発新京行き急行列車のぞみの三等客30歳前後の男子と20歳前後の娘4人を慶尚南道移動警察が挙動不審で取り調べたおころ、意外にも右は・・・神尾嘘造(30年)仮名=が天理教教師という肩書きのもとに信者の娘を甘言をもって満洲に連(つれ)出し魔窟に売りとばさんとしていたこと判明した。
すなわち本籍地愛媛県宇和島方面で信者の娘4名を誘拐、吉林に向かう途中で身柄は大邱署に引き渡して厳重取調中であるが、同様手段ですでに多数の娘を誘拐して大陸の魔窟へ売り飛ばしているらしく関係方面へ手配中。
(『大阪朝日・西鮮版』昭和14(1939)年11月25日)
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この「神尾嘘造」なる犯人が、日本人かどうかは明記されていないが、日本人の仮名を使っていること、愛媛県で誘拐していることから、おそらく日本人であろう。
いずれにせよ列車内にまで目を光らせていた所に、当時の警察が、いかに真剣に婦女子の誘拐事件を防ごうとしていたかが窺われる。
こういう状況を背景に、陸軍が「募集の方法誘拐に類し警察当局に検挙取調を受くるものある等注意を要す」「警察当局との連携を密にし・・・社会問題上遺漏なき様配慮」せよ、と指示したことは適切な配慮であった事が分かる。
■6.総督府警察の朝鮮人娼妓待遇改善への努力
また警察が、誘拐防止だけでなく、朝鮮人娼妓の劣悪な待遇を見かねて、「自前制度」を認めるという改革にも乗り出したという記事もある。「自前制度」とは、娼妓の個人営業を認めて、雇い主による搾取から救いだそうとした制度と思われる。
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朝鮮人娼妓に救いの自前制度 全鮮に魁(さきが)け平壌で実施
平壌警察署では全鮮にさきがけて朝鮮人娼妓の自前制度を認め25日から実施することになった。これまで平壌賑町遊郭朝鮮人娼妓の抱主との契約は大正13年からの年期契約制度で前借の最高は800円で年期の最長は5年であって娼妓の稼ぎ高5年間にいくら少なく見積もっても5千円である、
この結果4千余円は抱主の不当所得となっているという不合理なものであってそこで平壌署では協議の末この娼妓への福音がもたらされたもので、かねて平南道へ認可申請中のところ21日許可が下り、いよいよ25日から実施されることになったものである。
(『大阪朝日・北鮮版』昭和15(1940)年6月25日)[5,p51]
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娼妓制度自体は合法的なものとしても、娼妓たち達への不当な搾取は許さない、という正義感が感じられる所作である。
■7.法改正・制度改正して朝鮮の女性を護る
警察のみならず、総督府全体としても、伝統的に女性蔑視の傾向の強かった朝鮮において、女性を守るための法改正、制度改正を推し進めた。その一つは女性の再婚を認める、というものだ。
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再婚を許さぬ風習 若い寡婦の悩み 頻々たる「嬰児殺し」の犯行 朝鮮に多い特殊犯罪
【京城】警務局の犯罪係に最近各道から嬰児殺しの報告が毎日2、3件づゝ到着して係員を驚かせているがこれらは何れも申し合わせた如く朝鮮人寡婦が不義の児を生んで世間態を恥ぢ圧殺するもので寡婦の再婚は絶対に認めない朝鮮古来の風習を物語っている。
(『大阪朝日・北鮮版』昭和8年(1933)年2月14日)[5,p162]
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また旧来の朝鮮社会では女性の戸主相続権は認められていなかった。男子の相続人がいない場合は、女子がいても嫁に出し、他家から養子を迎えていた。総督府の法改正により、女子が家を継ぎ、さらに婿養子を迎える、ということができるようになったのである。
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女子相続権の実現こそは婿養子制とともに半島女権史上一大飛躍であるはもちろん家族制度に明確な大変革をもたらすものとして極めて注目される。
(『大阪朝日・南鮮版』昭和16年(1941)年6月14日)[5,p164]
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力の籠もった文勢に、朝鮮における女性の権利確立に向けた総督府の政策に期待する朝日記者の思い入れがよく窺われる。
■8.朝日記者たちの「一視同仁」
日本の朝鮮統治は「一視同仁」(すべての人を平等に愛すること)を理想としていた。朝鮮は植民地ではなく、日本と新たに吸収合併した国であって、その民は内地と同じく天皇の御仁愛に護られるべき民であった。政治家や官僚は、その大御心を体して、民の安寧を図ることが使命であった。
もちろん、この遠大な理想がすぐに朝鮮半島のすみずみまで実現できるはずもないから、あちこちで差別もあったろうが、本稿で紹介した朝鮮の女性を守ろうとする警察の動きを見れば、日本人と朝鮮人の警官たちが一致協力して、「一視同仁」の理想に向かって努力していた様が窺われる。
そして、そうした警察の活動を報道する朝日記者たちの「誘拐魔」「毒牙」といった筆致にも、被害者女性を憐れみ、悪徳業者の所行を憎む、まさに「一視同仁」の心情が窺われるのである。
こうした戦前の朝日記者たちの後輩たる現代の朝日記者たちは、戦前の先輩たちの報道も思いも顧みることなく、「日本軍が女性を強制連行して慰安婦にした」などと、史実を曲げたプロパガンダに走っている。
そんな有様を、戦前の朝日記者たちは、草場の陰から、どんな思いで見ていることだろうか。
(文責:伊勢雅臣)
■リンク■
a. JOG(106) 「従軍慰安婦」問題(上)
日韓友好に打ち込まれた楔。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257Enippon/jogbd_h11_2/jog106.html
b. JOG(107) 「従軍慰安婦」問題(下)
仕掛けられた情報戦争。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257Enippon/jogbd_h11_2/jog107.html