道州制への思い
第28次地方制度調査会で「道州制」が取り上げられ、それと前後して、全国で道州制に関する提言が次から次へと出てきて、「道州制」は一気にポピュラーになったわけだが、10年近く前から考えていた私は、非常に複雑な思いである。
マイナーな時代から応援してた音楽グループが、一気にメジャーになって、「彼等のためには、売れた方がいいんだ」と思う反面、「やっぱ路線も変わっちゃったな」的な...
内閣が、道州制推進的になって、いよいよ路線がおかしくなってきた。
北海道の例を見ても、権限移譲内容は、私から見るとちゃんちゃらおかしくてやってられない。
現在の構図は、都会と田舎、都市部と地方である。
大して人口に変わりがない自治体でも、面積や地理的用件により、都市部と地方の山間部では、経営状況は雲泥の差がある。
しかし、都市では「我々のところで徴収した税金が地方でムダ使いされている」との声が多い。
これは、マスコミの喧伝によるもので、行政関係者はまだしも、一般住民なら相次いでいる不祥事のニュースを何度も見せられると、そう考えるのもやむを得ない。
市町村合併もそうだが、結局は国のかたちを変えるのは政治の力である。
「地域ごとの反映を目指す道州制」をうたう一方で、完全に都市と地方を分断させようとしているのは、見え見えであり、このまま道州制が進められたとしても、北海道同様、どこの道州も何の権限も持たされず、「国の地方支分部局の再編成、道府県お取りつぶし」といった内容になりかねない。
反面、本州で区割りが微妙なところで、「区割り案はこうだが、こちらのほうに向いている」などと意見が割れていて、放っておいてはいつまでたっても決められないところにとっては、上からやられたほうが話が早いが。
最近、三位一体の改革第2幕という言葉をよく聞くが、私は「第1幕も無かったのに、何が第2幕なのか?」と思っている。
国の誘導策に乗らず、地方は今一度団結してほしい。
改革は、これからだ。