義父が亡くなって四年になる。
当時はコロナ流行中だったので、病院へ見舞にも行けず、亡くなる直前も母ですらほとんど会うことはできなかったし、本当に身内のみの五人で葬儀を行い見送った。
遺品を整理していたところ、ベルトのついていないダイバーズウォッチが出てきた。
義父は亡くなる前十年くらいは、そこそこ元気ではあったが、あまり外に出なくなっていたので、腕時計も必要なかったのだろう。
小物入れの中に雑然と電池切れのまま置かれていた。
中学生の頃を中心に、義父にはよく長時間正座で説教されたものだった。
そのとき、義父は腕に大きなダイバーズをしていた。
私の印象では、その後買い換えたかと思うくらい当時のものは大きかったイメージがあるが、今となってはどうなのかはわからない。
母も姉も、古いものだし、針も止まっているし、そもそもこういうのつけないしってことでまったく興味を示さず、結果腕時計時計大好き私が譲り受けた。
クォーツは一定期間電池切れで放置していた場合、電池交換してもダメな場合があることを過去経験しており、今回ダメもとでいつもお世話になっている店に持っていった。
200m防水ということもあり、裏ブタががっちり締められていて、かつ年数もたっているので、簡単には開かず、お店ではこれ以上力業に持っていくのは責任が持てないということで、メーカー送りとなった。
一週間と少々で連絡があり、受け取りに行くと無事動いていた。
自宅に持ち帰った後、ずっと平置きにしているが、精度に関してはまったく問題ない。
その後、長いことベルトをどうしようかと悩んでいた。
購入時に付いているものはきちんとしたものが多いが、特にラバー系のベルトを買い替える場合、結構切れやすかったり、ベルトループが使いづらかったり、またばね棒とのマッチングが悪かったりなど、過去いくつかの問題を経験している。
このこともあり及び腰だったが、引き出しを開ければ目につくこの時計がいつも気になっていて、待つほど時間はないぜ生まれて死んでいくってことで、今回とりあえずセイコーのものを買い求めた。
一番怖いのはバネ棒が外れてどこかに時計ごと飛んでいってしまうこと。
それだけは勘弁願いたい。
そういえば、今日は義父の命日だ。