八百屋を通りかかったところ、千円で売られていたので、つい買ってしまった。
テンションが上がる食べ物であることには間違いない。
今みたいに甘いものが少なかった時代、スイカや柿、みかんなどはさぞうれしい食べ物だったに違いない。
砂糖、塩、小麦粉は摂ってはいけない三悪だと吹き込まれている私にとっても、自然のものから得られる甘味はありがたい。
楽しいな。
もう数十年前の話になるが、新社会人向けの研修を受講した時の研修所の案内役の方は、かなり視力が悪そうだった。
手に持った書類の文字が小さい場合、目を近づけずに、背中をまげて見ようとするのでなんだか鶏のようだと他の受講生と話したものだった。
当時は他人事のように思っていたが、時は過ぎ、四十になった時分に、ギターの弦高を確認しようとしたとき、どうやっても二重に見えてしまうということがあった。
近視と乱視両方あるおかげで、二十代半ばから眼鏡をかけるようになったのだが、それに老眼が加わったのか、このピントのズレは年々悪化していて、この先大丈夫かと思うくらい本当に見えづらいときがある。
そして、世の中がやっとユニバーサルフォント時代になり、私も三年ほど前からパソコンで書類を作成するときはUDフォントを使っているが、書籍の世界でもそういった配慮がなされつつあるのはありがたく、救われた。
その一方で、いまだに旧態依然とした薄くて線も細い6だか8だかもわからないようなフォントの新刊も多く、作者か出版者かどちらが配慮をしないのだろうと思ってしまう。
たいがいそういった本はつまらなさそうなものが多いから読まない。
いや、開いても文字がよく見えないから中身もよく入ってこないからだけか。