先日、学生時代の一つ年上の先輩に久しぶりに土佐文旦を送ろうと連絡を取ったところ、昨年ガンになったという話を聞いた。
元々岡山に行く予定があったのだが、さらに新幹線で大阪まで往復することとし、およそ二十年ぶりの再会となった。
現在も週に3日透析を受けているということで、どういった感じかと会うまで心配であったが、そこそこ体重も戻っており、元気な姿を見ることができた。
学生時代の私は学校になじめず、最終的にドロップアウトしてしまったほどなので、授業にはほとんど出ることなく、アルバイトばかりしていた。
当時、末端の我々にもバブルのそよ風がたまにあたることもあり、労働内容から考えれば破格の時給数千円という報酬をもらえるものもいくつか紹介してもらった。
「バブリー」という言葉は今でもたまに耳にするが、本当に大金が簡単に動いていたんだと、後々実感した。
卒業後は、実家近くで自営業を始め、すぐに軌道に乗せたが、学生時代からそういった才覚があったのだろう。
金は自分で頑張って稼ぐものと考えているので、今回多額の保険金が入ってきたが、
「なんのありがたみもない死んだ金や」
とつぶやいていた一方で、
「透析はものすごい金がかかる。昔はそんなにいに保険適用なんかせんでええと思ってたが、今は助かってる」
とも。
別れ際、ホームで手を取って握手をしてくれた。
私も野球関係者とはよくあいさつの際に握手はするが、彼をそんな人とは思っていなかったので、意外に思うとともにうれしかった。
この先どれだけ体力が回復するかはわからないが、延命の確率は決して悪くない。
次回は、ほかの友人も含めて昔話をしたい。