今朝、いつものように乗用車で通勤していたところ、対向してくる自転車に乗った女性を見て、
「どっかで見たことあるなあ」
と、思った。
数十秒後、
「そうか、あのときの赤手袋のおねーちゃんだ」
と気づいた。
ちょうど8年前の今頃、仕事で帰りが遅かったため、今と同じように乗用車通勤をしていた時期があった。
毎朝私と反対方向に進む自転車の中に彼女の姿があった。
まあ、今の私の中の感覚で言えば大島優子というところか。
社会人1年目のような感じで、なかなか初々しく人目を引くところもあり、真っ赤な手袋をしてるのが印象的だった。
私は家族の都合で小学校を2回転校し、中学以降も何回か引っ越しをした。
同級生の家に遊びに行って、祖父母、父母と同居していて、小中高校とずっと同じ家から通っている者がいると、ひどくうらやましく思ったものだった。
彼女はどうなのだろう。
私も通勤時間帯が変わったりしたこともあったし、通勤手段もまちまちである。
8年間、彼女も同じ道を通勤していたのかも知れないし、一度結婚して最近出戻ったのかも知れないし、たまたま今朝自転車で通りかかっただけかもしれない。
もう一人、毎朝同じように対抗してくる年輩の女性がいるが、この女性はもう10年以上平日朝の同じ時間帯に私とすれ違う。
酒場もそうだが、私が社会人になってからずっと通い続けている店は3軒。
いつも変わらず日曜祝日以外は店を開けている。
また、これとは別に、多くの店が無くなってしまっているので、変わらずにということは、簡単なようで案外難しいものなのか。
今回の震災で、避難生活をしている人だけでも数十万人。
関係者を含めたら、その何倍もの人が、いや日本の多くの人々がごく普通の生活ができていないことと思う。
一人でも多くの人が一日も早く、いつもと変わらなかった普通の生活に戻れることを祈っている。