二十代の、特に半ばごろは釣りに血道をあげていて、海に山にとよく行ったものだった。
完全に磯釣りがメインであったので、川はもっぱら渓流釣りで、道具代もかかる鮎かけは金のない時代だったので、手が出せなかった。
当時、近所に住んでいた社長さんが、鮎かけにハマっていて、そこは社長ゆえ時間に都合もつくようで、シーズン中豊漁だったときは、よく家に呼ばれてごちそうになった。
このとき、天然ものを多く食べさせていただいたおかげで、天然と養殖の味の違いがわかるようになった。
当時を含め、三十代まではものすごく時間があったように思うのだが、最近はやたらと時間に追われ、あっという間に数年が過ぎてしまう感がある。
旅行するにしても、今は公共交通機関で帰りは夕方か遅くても午後8時、9時。
若い頃は、車に乗り合わせて、帰りの予定は夜中だったり、下手をすれば月曜日の朝だったりという有様だったので、時間の概念が徐々に変わってきていることもあるのだろう(飲んでいるときは今も際限がないが)。
最近スーパーマーケットでもよく鮎を見かけるので、売っているのに行き当たればほぼ確実に買う。
天然物はいいお値段だが、やはりそれなりの値打ちはある。
年数回くらいならいいかも。