チームの強化という点では、目的・目標意識をどこにおくかが大切である。
キャンプ前に全選手に「自分にとって野球とは何か。キャンプにおけるチームの目標、本人の目標」について、レポートを提出させている。
書くということは約束するという意味合いもある。
これらの目標を達成するためのアドバイスを、キャンプ中にコーチと監督で行っている。
振り返ってみれば、この4年間で韓国シリーズを三度制覇しているが、2007年は中日に、続いて埼玉西武に、昨年はロッテに負けた。
ベストメンバーとはいえない状況もあったが、それは言い訳にならない。
中には最後のワンプレーで負けた試合もある。
それがチームに足りていなかった部分。
韓国での優勝はあってもそれはそれで、今は1年の最後の試合で勝つのを目標としている。
練習は時間稼ぎではない。そう思うと労働になる。
参加する中で何をすべきか、目標は何かを各自が考えねばならない。
選手は子どものようなもの。病気やけがだと心配になる。
子を育てる親の気持ちと同じ
中には、肩が弱い、足が遅い者もいる。
では、どうすれば欠点を克服でき、潜在能力を引き出せるか。
シーズン当初には、年間82勝など、あらかじめ計画をたてている。
どの試合を勝って、どの試合が捨て試合となるかまで大体決めている。
1年トータルで選手に目標勝利数をクリアしてもらう。
監督としては月々でプラスマイナスを考えながらやっている。
SKは「控えの選手が多く見える、ピンチがないように見える」と言われる。
これはきちんと準備しているから。
この「準備をしておく」ということが目標でもある。
SKの監督就任当時は、本当に何もない8チーム中6位のチームだった。
今や年棒2億ウォン以上は当時の3人から14人に、韓国代表は1人から7人になっている。
なぜ強くなったかというと、キャンプ中12時間に及ぶ練習量もある。
試合で負ける理由とは、練習で足りない部分があるということ。
シーズン中でもミスプレーがあれば、ゲーム終了後でも徹底的に練習する。
「こうすればいいのではないか」と、感じた思いついたことは、すぐやる、必ずやる、最後までやることが大切だ。
勝つには、ベース付近30センチのプレーが最も大切である。
相手が取りやすい球をベース付近に投げられるか、そして走者へのタッチ。
この二つが常にきちんと出来るかどうかで年間10〜15勝は違う。
シーズン中は、データ解析にかなりの時間をあてている。
レストランに行くと余分な時間がかかるから、ホテルでも朝食は部屋で取り、球場入りまでの時間を有効に使うようにしている。
それだとおいしくないわけだが、トップとはそういうもの。
孤独でもある。
先入観や固定観念はいけない。
道のないところを歩む開拓者でもある。
1ゲームで投手を8人投入することもあるし、最初の1回で交代させること
もある。批判を受けることもあるが、それでも優勝し続けている。
勝てる試合を落としたときは、責任転嫁ではなく自分を批判する。
批判は胸でしっかり受けとめる。
夢には責任がある。
トップは過程より結果を求められる。妥協、弁明、満足があると途中で止まってしまう。
優勝が決まった時点で過去は記録になる。
翌日から次に向けた戦いは始まっている。
平成23年1月25日 高知南中高にて