このことについては、高知ファイティングドッグスの存続問題に関連して、よく話題になることである。
以下、愚者の推論である。
新オーナーの北古見さんが「”高知FDがいるから、ナイター設備を作ってくれ”という話にはならない」とおっしゃっていて、なかなか見識の高い人だと感じた。
確かにシーズン中は、デーゲーム専門の高知FDの試合を観るのは大変だ。
じっとしていても、汗が噴き出してくる日も珍しくない。
「平日のデーゲーム」という、最も集客しづらい状況で、今後観客増を望むのは無理がある。
かといって、「ナイター設備が必要だ」という議論は否定はしないが、「ナイター設備があれば、すべてが解決する」という見方は短絡的でもある。
まず、ナイター設備建設について考えてみる。
集客面から言うと、高知市内近辺球場ということになり、高知球場(大原町・鏡川沿い)、東部球場、春野球場の3球場が候補にあげられる。
ほとんどの方が、「ナイターは、やっぱりビールを飲みながら」という点を希望されているかと思うので、交通の便から考えるとやはり高知球場にということになる。
高知球場に設備を作るとすると、照明の土台の設置場所が必要となる。
何基設置するのかにもよるが、ただでさえ狭く車両の行き来も多い公園内道路の一部を使う必要が出てくると思われ、ここで少し無理がある。
また、設備設置には時間がかかる。
高知球場の場合、施設もいくつかあり、プロ野球キャンプもあるため、各利用者に利用してもらいながらになるため、なおさらである。
ナイター設備作りました。
2年経ちました。
プロ野球チームは、・・・・・・。 というシナリオもありうる。
次に、設置した後の問題である。
照明を点けるのだから、当然ながら球場使用料に照明の電気代が加算される。
NPBの球場のように、年間多数の試合が開催されるなら、維持管理費もそれなりに配分されるだろうが、高知球場でアイランドリーグ以外に多数ナイターが行われるとは考えにくいのではないか。
よって、実際の電気料金+アルファ分を通常の使用料に上乗せして支払う必要が出てくるため、観客が増える分で、この部分がまかなえるのかどうかが問題になってくる。
もっとも、球場管理者が「使用料を減免する」(例えば照明の経費だけでOKとか)というのなら話は別だが。
ナイター設備も、「税金で作られるハコモノ」である(一部募金も入るかも知れないが)。
野球ファンは欲しいと思う。高知FDが存続してもらいたいと思う人も欲しいと思う。
が、野球に興味がなかったり、工事期間中施設利用を制限されるのを嫌って「そんなの要らないよ」という人もいるだろう。
私が不勉強なのかもしれないが、ナイター設備設置に関する行政の明確な回答を見たことがない。
ナイター設備設置を望むなら、球場管理者に対し、
・設置費用はどれくらいなのか
・周辺対策・用地買収・設置工事に要する期間はどれくらいかかるのか
・工事期間中、施設利用に支障はあるのか
・照明料により、球場使用料はどれくらいアップするのか
など項目を定め、「何年何月何日までに回答をください」といった形で公開で申し入れをするのが近道ではないだろうか。