年末年始の休み以降、母と結構会っている。
母は11月中旬から年末まで入院していて、コロナのため見舞いはできず、週1で病院に物を届けて預かってということをしていた。
退院時も
「4人部屋だったが一人も話し相手がいなかった」
と言っていたので、県外に住んでいて時折帰ってくる姉ほど話は合わなくても、話相手も欲しかろうと思って。
先週の日曜日も会ったのだが、テレビで温暖化絡みの話題が流れた折に、
「シロクマも数がどんどん減って大変なんだってねえ」
と。
テレビでも本でもそうだが、シロクマというイメージを利用して、やれ可哀想だ、人間は自分勝手だ、シロクマを守れといった作り方、書き方が結構されている。
たぶん母は、たまたま食糧が取れず、やせ細ったホッキョクグマの映像を見せられたのだと思うが、実際は保護政策によって、ホッキョクグマの頭数は増えているんだな、これが。
NHK衛星やナショジオをよく見ている人はご存知と思うが、過酷な自然環境の中で、動物が何らかの事情によりエサをとることができず、結果死に至るようなケースはいくらでもあるし放映もされてきたので、何もこの一頭あるいは数頭のホッキョクグマだけが特別ってわけではない。
北極圏全体にいるシロクマの一部分だけ切り取って、あたかもすべてのシロクマがそういった状況下にあるかのように見せるのは、テレビ的には常套手段ではあるが…。
実際頭数が増えていることを持ち出すと、温暖化論者は
「いやいや、それはこれまでであって、温暖化の影響が出始めている今後は減るおそれが、可能性があるんです!」
と持論を展開なさる。
白黒つけるには、北極圏各地域の個体数調査を継続しデータを積み上げて、温暖化の影響で十分にエサが取れないによるものなのか、何らかの自然破壊によるものなのか、それとも公害によるものなのかなどを調べるしかなさそう。
温暖化対策が必要であることについては、ある意味異論はない。
経済面で考えると、国際会議の場でそんなことを主張しても
「は? 何言ってんの?」
と思われるだけ。
ビジネス面で考えると、うえのシロクマ調査にしても、補助金が出る対象となるだろう。
要はそういうこと。
ただ、再エネ一辺倒に代表されるように、極端な話をせずに、どの線が最良なのかを見極めていくことを忘れてはいけない。
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こちらの本は、暮らしのリサーチセンターというところが出しているもの。
各地の電力会社の取り組みが内容の中心であるが、最後に有馬純氏の学識経験者としての意見が入っていることで、なかなか引き締まった内容になっている。
こと温暖化問題については、
「何が何でも対策を推し進めるべし」
と言う偏った内容の本が多い中、
「やみくもに進めればいいというものではないんだよ」
と、しっかりまとめられている点が秀逸。