せん定と言えば聞こえはいいが、まあ単に切ってきただけのことである。
もう20年くらい前から、初夏に山の畑に収穫に行くたびに、5、6メートル上を眺めて
「あんな高いところにあっても取れないししょーがねぇなあ」
と思っていたが、いつ切ればいいのかよく分からないし、勝手に切って怒られるのもイヤなので手出しできなかった。
そして今、やっと私が判断を下す時代になって、何も考えずに手の届かないところは今日ほとんど切り飛ばしてきた。
去年も結構ずっとひきずってきた自分なりのこだわりを打ち壊してきたところがあって、今年もそれをやっていこうという現れでもある。
木にしては一生懸命成長したところではあろうが、切ってもまたあっという間に上にも横にも枝は伸びてくるし、毎年実を付けるたび私たち家族に不愉快に思われることもなくなって木も幸せだろう。
モノを捨てられない人は、これと同様に使われもせず収納場所を探されてばかりなら、いっそ土に帰ったほうがモノも幸せだと考えればよろしい。
ちなみにこの時期にやると一時的に収量は落ちるとのことだが、毎年三割も採れない状況だったのでまったく問題無い。